ひょうご被害者支援センターは犯罪・犯罪に類する行為などで被害に遭われた方、そのご家族やご遺族に対して支援を行っています。

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ニュースレター

Vol.13 発刊日 2009年8月


●シンポジウム基調講演「被害者参加制度について考える」

講師 門田隆将

日本では、これまで刑事事件の加害者の利益が過剰に守られる一方、被害者は無視されてきました。法廷でもまるで"石ころ"扱いで、何の権利も持たない存在だったのです。
93年に起こった「山形マット死事件」は、被害者は13歳の少年で加害者も全員少年でした。犯人側には"人権派弁護士"が駆けつけ、少年たちは急に否認に転じます。紆余曲折を経て少年7人全員に有罪判決が下されますが、次に遺族が少年たちと新圧市を相手取って起こした損害賠償訴訟の一審判決では、裁判長が「事件性すらない」という可能性を示唆して遺族側の敗訴としました。日本の法廷では被害者の人権、遺族の悲しみや心の痛みは、全く無視され続けて来たのが実情です。

 その後、神戸市須磨区で起こった「神戸連続児童殺傷事件」も、少年法が遺族の前に立ちふさがりました。ここでもジャーナリズムは加害少年ばかり過剰に擁護し続けました。しかし、今日この会場でにも来ておられるご遺族の土師守さんが敢然とこの風潮に立ち向かい、大きな成果を挙げました。07年の少年法改正がそれです。実に半世紀以上にわたって動かなかった少年法が改正されたことは、少年法といえども、被害者やご遺族の方々と私たちの意識変革で「変えていくことができる」ということを示しています。
少年法の改正から、さらには被害者やご遺族が裁判に参加できる「被害者参加制度」を成立させることへと展開できましたが、それには多くの被害者の犠牲と涙を忘れてはなりません。山口県の「光市母子殺害事件」と歩調を合わせるかのように進んだ司法制度改革の論議は、国民の「健全なる常識」を裁判に生かすよう答申され、裁判員制度へと向かっていきました。また、「犯罪被害者の会」も発足して、さまざまな運動が展開され、国も08年12月に「被害者参加制度」をスタートさせました。

 しかし残念なことですが、日弁連とそれに追随するメディアは、今も少年法の改正と被害者参加制度に反対しています。裁判の前提である"事実の解明"というアプローチさえ阻もうとするやり方に納得できる人は少ないのではないでしょうか。被害者やご遺族の人権、心の痛み、加害者への想いが反映される裁判になって欲しいと思います。

 ここで被害者参加制度の関連で申し上げておきたいことが一つあります。東京地裁であった「占い師傷害事件」の法廷で証言した被害者に、加害者が脅し文句を発し、証言者がその場で脅迫されたことを、マスコミは被害者参加制度への反対の理由づけにしました。しかしこのことは被害者参加制度と何ら関連するものでないことは明らかです。「司法が本当に守らなければいけないのは何なのか」を考え直す上でこの制度は意義深いと思います。
最後に、私は日本の被害者支援は"暗黒の90年代、光明の2000年代"となり、徐々に進んできていると思います。被害者参加制度を活用していく中で、被害者の人権を守り、被害者支援の努力を継続して「ひょうご被害者支援センター」が、これからも常に社会のリード役として活動していくことを願っております。

 

●パネルディスカッション「被害者参加制度について考える」

 ジャーナリストの門田隆将さん・全国犯罪被害者の会「あすの会」幹事の林良平さん・全国犯罪被害者の会「あすの会」顧問弁護団の後藤啓二弁護士・関西テレビ放送報道記者の豊島学恵さんらが刑事裁判の被害者参加制度について議論した。
林さんは「被害者が初めて法廷に出ます、萎縮しないように支援弁護士は十分に配慮してほしい」と要望。後藤弁護士は「被害者が裁判に参加しても、被告人への量刑が重くなることもなく、必ずしも被害者が満足できる結果が出ない」と現状を説明。豊島さんは「5月21日から始まった裁判制度ばかりが注目されていますが、誰でも重大犯罪の被害者や家族になる可能性があります。この制度を通じて被害者の存在や思いが広く知られることが大切だ」と訴えた。門田さんは今後の制度の在り方について「今以上に被害者の心情に想像力を働かせるべきだ」と結んだ。
また、今回のシンポジウムでは参加者に質問カードを配布し、この質問カードについて、それぞれのパネリストが回答した。質問内容は、被害者参加制度に関することはもちろん、過去の事件のこと、法制度のこと等多種多様で、犯罪被害者に対する参加者の関心の高さがうかがわれた。これはシンポジウムの目的が十分に果たされたことと、主催者としては大いに喜びとしている。

 

●コメンテーターから見たシンポジウムについて

理事 本多 修

 5月31日に兵庫県民会館において、ひょうご被害者支援センターの総会をおこなった後、「被害者参加制度について考える~被害者の視点から参加制度を検証する~」というテーマで講演とシンポジウムをおこなった。
基調講演には、犯罪被害者に密着して書かれたベストセラー「なぜ君は絶望と闘えたのか~本村洋の3300日~」(新潮社刊)の著者である門田隆将氏にわざわざ東京から来ていただいた。
まず「新型インフルエンザの影響で中止になるか、誰も聴衆が来ないのではないか、前夜の飲み会だけで今日は神戸からすぐに帰京しないといけないかと思っていたら、これだけ多くの人々が集まっておられるので驚きました」と聴衆の多さを言われた。そして、被害者遺族が刑事裁判の法廷で当事者として当然の主張ができる、この制度の意義を強調された。「平穏に暮らす国民が、子どもや孫のために安心できる社会をつくるためにも必要な制度であり、裁判員制度と共に、国民を守るための司法制度が国民の手にもたらされた。これをしっかり育てていかなければならない」と熱いメッセージを語られた。

続いてのパネルディスカッションでは、あすの会の幹事である被害者の林良平さん、あすの会の顧問弁護士団の後藤啓二さん、関西テレビの豊島学恵さんも門田さんに加わって、それぞれの視点から被害者参加制度への思いと期待が語られた。裁判員になる確率と犯罪被害者とその遺族や関係者になる確率は、それほど変わらない。わが子や孫、子孫のためにどのような社会をつくることが出来るかという想像力が不可欠であるという言葉に大いに納得した。

この被害者参加制度は、犯罪被害者支援にとっての確かな一里塚であるとの思いを強くする1日であった。

 

平成21年度 相談活動報告(21年4月~6月現在)

電話相談(延べ件数)

相談内容 件数 相談内容 件数 相談内容 件数
殺人(傷害致死) 2 暴行・傷害 12 財産的被害 8
強盗(致死傷) 0 その他の身体犯 1 DV 82
強姦 7 危険運転致死傷 0 ストーカー 1
強制わいせつ 2 交通死亡事故 1 その他 30
その他の性被害 4 交通事故 3 小計 153
合計 153

 

直接支援件数

相談内容 件数
裁判関係 3
自助グループ支援 2
事前面接 2
合計 7

ご協力ありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。
(平成21年3月16日~7月10日現在)

 

寄付者(敬称略)

●青木恭子
●荒木美歌
●飯田美穂
●大崎登志子
(大崎メンタルクリニック)
●太田裕之
●大橋和美
●河瀬真
●草苅トシエ
●倉石哲也
●警友会生田支部
●警友会須磨支部
●後藤啓二
●小柴由利
(ゆり神経クリニック)
●坂田美和子
●櫻井繁樹
●佐用警察署
●清水將之
●多木科学(株)
●田中桂子
●田中実恵子
●辻本哲士
●出口進一
●寺田輝雅
●寺田尚代
●中井祥博
●中原拓也
●羽下大信
●日立グループ親切会
関西支部
●福井公子
●増田章吾
●松浦一郎
●南裕子
●村上典子
●山崎守
●山本泰之((株)神戸製鋼)

 

団体賛助(敬称略)

●相生警察署親睦会
●芦屋交通安全協会
●尼崎北防犯協会
●尼崎西防犯協会
●有馬交通安全協会
●有馬防犯協会
●淡路交通安全協会
●出石交通安全協会
●伊丹防犯協会
●岩見印刷(株)
●(医)社団正仁会
明石土山病院
●(医)内海慈仁会
姫路北病院
●加東防犯協会
●川西防犯協会
●関西電力(株)神戸支店
●菊川内科・
心療内科医院
●(株)キャッスルホテル
●近畿システム管理(株)
●警友会相生支部
●警友会有馬支部
●警友会加古川支部
●警友会氷上支部
●警友会垂水支部
●警友会豊岡支部
●警友会長田支部
●警友会西脇支部
●警友会東灘支部
●警友会美方支部
●神戸北ロータリークラブ
●神戸電鉄(株)
●三田防犯協会
●飾磨交通安全協会
●(株)シマブン
コーポレーション
●神姫バス(株)
●須磨交通安全協会
●須磨防犯協会
●洲本交通安全協会
●(株)たいよう共済兵庫支店
●高砂北部開発(株)
●白鷺サナトリューム
●垂水交通安全協会
●豊岡交通安全協会
●豊岡防犯協会
●長田防犯協会
●西海醤油(株)
●西脇多可防犯協会
●(財)日本防災通信協会
兵庫県支部
●花田神経内科クリニック
●浜坂交通安全協会
●日笠工業(株)
●姫路信用金庫総務部
●(株)兵栄
●兵庫県加西警察署
●兵庫県警察信用組合
●兵庫県警友会
●(社)兵庫県指定
自動車教習所協会
●兵庫トヨタ自動車(株)
●(社)兵庫トラック協会
●(社)兵庫県防犯協会
連合会
●ベルポート警備(株)
●(財)暴力団追放
兵庫県民センター
●マルカ運輸(株)
●南あわじ警察友の会
●南あわじ防犯協会
●社交通安全協会
●UCC上島珈琲(株)
●横山製薬(株)
●(有)リサーチ兵庫
●(株)ワールド総務部


(あいうえお順に記載)

●マルカ運輸(株)河合社長のコメント(H21年度新規団体賛助会員第1号)
職業柄、以前より、交通事故遺族のためのボランティアをしたいと考えておりましたところ、知人より当センターを紹介されました。「被害者支援」ということでつながりを感じ、賛助させていただくことにいたしました。企業としても、社会貢献の一端を担えてうれしく思っております。

 

【topics】
犯罪被害者の心を知って欲しい

当センターが支援しているご遺族の会「六甲友の会」の
会員である伊藤順子さんが、5月1日、ポートアイランドの神戸学院大学で、
集まった学生に「犯罪被害者の現状」についてお話されました。

伊藤さんは、01年ひき逃げ強盗殺人で、当時26歳のご長男を亡くされたご遺族で
事件直後から現在までの心境について訴えられました。

学生は「涙がでました。ご遺族の思いが伝わってきました。」と感想を述べていました。この様な機会を通じて若い方や一般の方に広くご遺族のお気持ちを伝えていくことが
センターの大切な役目であると痛感しました。

 

【topics】
電話相談員がスキルアップのため県外研修会に参加。

○7月6日から4日間、(社)被害者支援都民センターで実施された被害者支援セミナーに当センターから事務局スタッフ1名が参加した。全国から集まった20名の仲間と実践的な支援のあり方を学んだ。

○7月11・12日の2日間、真夏の京都で近畿ブロック研修会が実施され、当センターから6名が参加した。近畿2府4件から約70名の相談員が集まり、ロールプレイ等に取り組んだ。他県の相談員との交流は、お互い参考になるとともに、大いに励みになり大変有意義でした。

 

【topics】
心も身体もスカッと爽やかに!!

清涼飲料水を1本飲むたびに20円余が当センターに寄付。
設置は簡単・無料。設置された企業団体では、専門の部署や担当者を設けなくても、
手軽に社会貢献(CSR活動)のPRができますよ。
自販機の設置場所を求めています。お知り合いにお声をおかけください!

 

【topics】
募金活動

96,019円の募金が集まりました。
本年度は神戸文化ホール等で4回の募金活動を行いました。
いただきましたご芳志は直接支援活動費や電話相談員研修の会場費に使わせていただきます。

 

【topics】
播磨社会復帰促進センター見学

6月18日(木)、高松理事と相談員計8名が加古川市八幡町にある「播磨社会復帰促進センター」(官民協働の刑務所)を見学。余りに整備された施設に戸惑いが…服役者の社会復帰プログラムについても学習。
この学習を「被害者支援」にどう活かしていくかが今後の課題です。

 

【topics】
ニューフェイス8期生の声

6月より7名の8期生が電話相談活動にデビュー!
「ドキドキした」「電話で人の気持ちに寄り添うって、とてもむずかしい」
「想いを聴き取りながら、事実確認することの大変さを実感」などなど、
額に汗しつつ頑張っています。ファイト8期生!

 

【topics】
企業訪問

5月より、兵庫県警被害者支援室の小野室長、被害者遺族でもある高松理事、
事務局長、スタッフで賛助会員加入のお願いに3社を訪問。うち、1社が寄付を、
2社が賛助会員になって下さいました。
また、賛助企業からのご紹介で、新たに2社が賛助会員になってくださいました。
「人同士のつながり」に感謝しています。

 

【次回シンポジウムのお知らせ】

平成21年11月29日シンポジウムを開催いたします。

会員募集

ひょうご被害者支援センターの活動を支える仲間を募集しています。ご協力をお願い致します。
年会費 正会員 個人 5,000円
賛助会員 個人 一口 1,000円以上(何口でも可)
団体 一口 10,000円以上(何口でも可)
郵便振替(おもかげご希望の方もこちらの講座番号へ)
口座番号:00900-3-185412 
口座名義:特定非営利活動法人 ひょうご被害者支援センター

 

私たちの活動は、 会費や寄付等で支えられています。
支援はすべて無料で行われますが、支援員の養成・ 研修・広報啓発活動・事務局の運営などに 経費を必要とします。
被害者の方が安心して相談できるための活動を理解し、ご支援・ご協力をお願い致します。

 

発効日: 2009年8月
発行者: 特定非営利活動法人 ひょうご被害者支援センター
事務局: TEL078-362-7512
URL: http://supporthyogo.org

 

●編集後記●

新型インフルエンザで揺れた神戸も、落ち着きを取り戻しました。あっという間に「夏」です。この日々の暑さよりもっと熱い想いで、「秋のシンポジウムは早期援助団体として開催するぞ!」と頑張っている事務局一同です。会員の皆様方のご協力・エールをお願いいたします。

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