ひょうご被害者支援センターは犯罪・犯罪に類する行為などで被害に遭われた方、そのご家族やご遺族に対して支援を行っています。

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Vol.4 発刊日 2004/8/10

●事務局長就任のご報告とご挨拶

7月20日の通常理事会に於いて、事務局長に堀口節子が承認されました。

-ごあいさつ-

2002.4月に相談活動が始まっていらい、相談活動全般を担当させていただいておりましたが、このたび、事務局長という大任をいただきました。これまでの経験を基に、理事・スタッフ・ボランティアをはじめ、当センターを支えていただいている皆様と共に一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。どこかでお会いしたら気軽に声をかけて下さい。今後もご支援を宜しくお願いいたします。

堀口 節子

 

●三年目に思う

理事長 中井 久夫

兵庫県の犯罪被害者支援には、被害者の家族が主体となって関与し活動しておられる。しかも、その活動範囲と影響とは全国に及んでいる。このことが大きな特徴に挙げられている。そこから学ぶところは大きい。

まず、被害後の三日間が得に大変である。このことは、かねて想像はできていたが、体験をうかがって改めていかにもそうだと思った。

普通の怪我による入院や葬儀でも家族にはへとへとになる大変なことだ。突然であれば、いっそうである。しかし、降りかかるのはそれだけではない。警察に出頭せねばならない。調書をとるのに何時間かかるかわからない。警察の職務忠実上やむをえないことであるが、時には被疑者扱いされるとか、羞恥に耐えないことを述べなければならぬこともある。ジャーナリズムが殺到する。他社よりも一言でも多くとつきまとう。写真が奪い合いになる。家族関係を洗われる。近所手前もある。好奇の眼にさらされる。何かと御用聞きも来る。皆、自分の仕事が優先順位第一と思っている。それは人情であるが、受けるほうは身一つである。大黒柱を失った場合はなおさらである。

震災の場合と違って共同の体験ではない。被害者家族は全く孤立してよるべがない。経験も予想もしていないことなのに相談相手がいない。そもそも経験がある人がそういないからだ。弁護士でないと勤まらない難しい問題ばかりではない。電話を取ってくれる人、買い物を引き受けてくれる人、運転して行き先に連れて行ってくれる人、病院その他の支払い、役所の手続をしてくれる人、そういう人が一人いてもずいぶん助かる。犯罪被害の理不尽さを真っ向から消すことは誰にもできないが、この三日をどう過ごすかで、その後はずいぶん変わってくるはずだ。最初の三日の支援が肝心だとは、戦闘兵士では第2次大戦の米軍で強調されている。「温かいメシと休息」だけでずいぶん違うそうだ。この間の震災の経験からも言えることだが、にわかに犯罪被害者になった人には実際はなかなか恵まれないことである。

ロサンゼルスに行った時、交通事故の取り調べの間に、隣の部屋には援助の専門家が待機していて、被害者の心理状態に応じて面接すると聞いた。犯罪被害者が警察に出頭している時にケースワーカーが隣の部屋で待っていてくれたらどんなにいいだろう。

では、あちらのよいところを採って、今の日本で現実に何ができるかを考えるとどうなるだろうか。専門家を揃えることは理想的だが、まずはボランティアが専門家の助言のもとに行うことではなかろうか。といって、見知らぬ家の火事場の中に入り込むのだから人選と訓練が必要だろう。そのためには、被害者あるいは家族、警察、ケースワーカー、弁護士、臨床心理・精神医学関係者が集まって、手ほどき書、今流行りの言葉では「マニュアル」を作り勉強をすれば、その中でさらに智恵が湧いてこないだろうか。

 

 

●平成16年度シンポジウム
「犯罪被害者支援~民間支援に求められるもの」


コーディネーターの
杉村省吾副理事
当センターの総会ならびにシンポジウムが、平成6年5日(土)、神戸市教育会館で行われました。当日は晴天に恵まれ、シンポジウム会場は飽和状態、約200名の参加がありました。

●基調講演
「我が国における犯罪被害者支援ーその現状と今後」


國松孝次氏
(元警察庁長官・
NPO救急ヘリ病院
ネットワーク理事長)
國松氏が犯罪被害者支援に関わるようになったきっかけは、筑波で起こったある事件をめぐっての報道にありました。報道される内容に、どう考えても警察から出たとしか思えない、警察しか知り得ない内容があったことで「警察は、加害者のことは捜査の秘密と話さないが、被害者のことは話してしまうのではないか。
これでは警察は国民の信頼を得られない」その思いがやがて被害者対策要綱(1996)として形になりました。

氏は、ここ数年の警察の被害者支援への取り組みについて前向きに評価しながらも、昨年10月3日に行われた「犯罪被害者支援の日」に警察批判がいまだ数多く聞かれたことを挙げ、被害者の要求水準が高くなり、感謝されることだけでなくなると止めたくなるような被害者支援では、本当の支援ではないです」と強調しました。

民間被害者支援に求められる課題としては資金集めを第一に挙げ、被害者支援を例えば“安全な町作り条例”などの形にしていくこと、被害者支援員の専門性を高めること、自助グループへの援助を行うこと、報道機関による被害をおさえることの必要性、そして、支援団体間のコーディネートを都道府県単位で行うこと等を提案されました。

 

●パネルディスカッション
「犯罪被害者支援~民間支援に求められること」

パネリスト 國松孝次
酒井肇・智恵
(大教大附属池田小学校事件被害者遺族)
永谷和雄
(サンテレビ放送本部報道部記者)
指定討論者 本田 修
(武庫川女子大学教授)

 

酒井肇氏は「こういう場所で話したことのない話しを」と、子どもの救命に当たった教師がヘリコプターの音を救命ヘリと思ったのが、報道ヘリであったことに非常に落胆したということから話され、「報道ヘリのおかげで学校側が子どもたちがどこに搬送されたか説明するのを聞き取れない。家族が連絡をとり合おうにも携帯電話で話す声が聞こえない」と報道被害の実状を語られました。


シンポジウム風景
(パネリストたち)

次に「親の気持ち」として、(1)なぜ子どもが死ななければならなかったかは、永遠の問いかけだ。(2)事件の真実を知りたい。(3)事件の発生原因を知りたい。以上3点を挙げました。

酒井智恵氏は、事件数時間後から大阪府警の 2名の婦人警官が日常の生活を送る援助をしてくれたこと、子どもの幼稚園にいる臨床心理士が子育てのサポートを通じて親に親としての自信を取り戻させてくれたことを挙げ、これらを「じつに実のある支援だった」と話されました。


永谷和雄氏

会場には直接支援にあたった婦人警察官が出席しており、マイクが渡され、「事件後数時間でご夫妻にお会いし、ご本人達以上に何をしたらいいかわからない状態で”一緒にいてあげること”しか考えなかった。車でおばあちゃんとお母さんをご自宅に運び、何度外をのぞいても報道関係者が増えていく様子に『洗濯物をとりいれましょうか?』から始まってお手伝いした」と話されました。

最後に肇氏は「素早く被害者の状態を把握して、具体的な支援メニューを提示してもらいたい。一方的な支援ではなく、支援した側、受けた側の意見交換の場をもうけてください」と訴えられました。


本田修理事

永谷和雄(サンテレビ放送本部報道記者 兵庫県警キャップ)からは、被害者の立場に立った報道にむけての具体的な取り組みが紹介されました。また、民間支援に求めるものとしては、被害者とメディアの間、被害者と支援者の間に入り「良いつなぎ役」になってほしいと話されました。

そして最後に指定討論者である本田修理事から、組織援助から個人援助にどのようにつなげるか、支援者の専門性をどのように高めるのかといった問題提起もなされました。


閉会の挨拶を
述べる
中井久夫理事長

被害者支援は出会いや縁を大切にすることから始めなければなりません。顔の見える援助者でなければ、被害者は信頼できません。さらに、信頼できる人から紹介された人でなければ、会おうと思いません。被害者と支援者をつなぐことができる信頼できる人とは?

シンポジウムは、民間の被害者支援に求められるものについて考える際の多くのヒントを与えてくれるものとなりました。

 

 

●相談活動報告

1.相談件数
相談件数は1年目は101件、2年目は154件と約1.5倍になっており、今後も増加することが予想される。今年度は犯罪被害者相談件数が増加しているが、財産被害、近隣や家庭内のトラブル等日常生活の中で起こっている被害相談が大きく増加した。

相談月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
H14年度 7 5 12 8 4 11 16 6 8 9 9 6 101
H15年度 4 20 14 12 10 22 20 11 8 14 14 5 154

 

2.相談内容の内訳

円グラフの数字は%、表の数字は件数
相談内容 H14年度 H15年度
犯罪被害者(殺人・性被害等) 26 45
災害・交通事故等の被害者 9 7
精神保健相談(被害念慮等) 34 35
消費者相談等 32 67
合計 101 154

 

3.面接相談
面接相談の件数

  H14年度 H15年度
法律相談 7 6
心理相談 3 2
合計 10 8
(数字は件数)

 

 

●本のご案内

犯罪被害者遺族の手記 「おもかげ」

はじめに
最愛の人を失うということ、それは残された家族に大きな心の傷を残します。
そして、それが犯罪という、突然で理不尽な出来事によって失われた場合には、残された家族の心の傷は、さらに深く、そして回復困難なものになってしまいます。 ~(略)~ この手記は、最愛の人を犯罪で無くした遺族の心の葛藤を 綴ったものです。この手記を読むことにより、犯罪被害者遺族の思いを少しでも理解していただければと思います。

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