ニュースレター
Vol.20 発刊日 2013年5月
兵庫県警察本部 被害者支援室 野ロ 岳志 室長
こんにちは。警察本部被害者支援室長の野ロです。どうぞよろしくお願いします。
はじめに、常日頃より被害者支援にご尽力を賜っております関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
さて、私が被害者支援に関わったのが13年前、ちょうど「ひょうご被害者支援センター」の立ち上げの頃です。当時は、被害者支援の係長としてセンターの設立に向け、会議の準備、議事録の作成、センター事務用品の調達等支援係長として、できることを精一杯しようと手探りながら懸命にセンター立ち上げに向け奔走したことが思い出されます。
また、当時は、被害者支援といっても社会的に認知度も低く活動のための財源を確保するにも非常に苦労しましたが、
○被害者を支える中核となるセンターの立ち上げなければ、兵庫県においては、十分な被害者支援ができなくなる。
○上司、理事等センター役員皆様の被害者支援に対する熱い思いを形にしなければ
といった思いで、支援係長として自分の立場・役割で一生懸命携わったことが懐かしく思い起こされます。
この度、約10年ぶりに被害者支援室長として着任し、感じたことは、被害者支援を取り巻く環境が大変進展しているということです。
この間、国では、犯罪被害者等基本法の制定、犯罪被害給付制度の拡充、自治体における被害者支援条例の制定、ひょうご被害者支援センターも公安委員会の犯罪被害者等早期援助団体の指定を受けるなど被害者支援に関する取組みの充実ぶりがうかがえます。
ひょうご被害者支援センターが設立10周年を迎えたということは、個人的にも感慨深いものがあります。
被害者支援は一組織、一機関、一個人の支援は僅かかもしれませんが、それぞれの立場で少しの支援の気持ちを持ち寄れば大きな輪となって充実した被害者支援につながると考えています。
今後、私も被害者支援室長として、被害者支援のさらなる充実を目指し、ひょうご被害者支援センターと関係機関がこれまで以上に強い緊密な連携がなされるよう努めて参りたいと思いますので、どうぞ、関係各位のご指導・助言、お力添えをよろしくお願いします。
平成24年度 支援活動報告
電話相談は、昨年度とほぼ同じくらいの件数です。一方、直接支援は37件増加で、裁判の付添いや代理傍聴等、裁判に関連する支援が増えました。
電話相談被害種別件数(平成24年4月~平成25年3月)
相談内容 |
件数 |
相談内容 |
件数 |
相談内容 |
件数 |
殺人(傷害致死) | 82 |
暴行・傷害 | 84 |
財産的被害 | 23 |
強盗(致死傷) | 3 |
その他の身体犯 | 3 |
DV | 320 |
強姦 | 23 |
危険運転致死傷 | 2 |
ストーカー | 8 |
強制わいせつ | 35 |
交通死亡事故 | 21 |
虐待 | 6 |
その他の性被害 | 21 |
交通事故 | 9 |
その他 | 143 |
合計 783件 |
直接支援内容別件数
付添い(裁判所) | 54 |
付添い(裁判所以外) | 65 |
代理傍聴 | 26 |
自宅訪問 | 1 |
自助グループ支援 | 8 |
その他 | 10 |
合計 | 164件 |
支援活動月別件数
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
計 |
|
電話相談開設 日数 |
16 |
16 |
18 |
17 |
16 |
16 |
18 |
15 |
15 |
15 |
16 |
17 |
195 |
電話相談 件数 |
67 |
73 |
80 |
70 |
61 |
62 |
90 |
68 |
46 |
36 |
59 |
71 |
783 |
法律相談 (弁護士) 件数 |
5 |
5 |
5 |
0 |
0 |
2 |
2 |
0 |
0 |
3 |
5 |
1 |
28 |
心理相談 (臨床心理士) 件数 |
3 |
1 |
4 |
1 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
2 |
1 |
1 |
17 |
面接相談 (犯罪被害相談員) 件数 |
5 |
6 |
4 |
5 |
3 |
3 |
2 |
3 |
3 |
3 |
7 |
4 |
48 |
直接支援 件数 |
8 |
9 |
13 |
8 |
9 |
14 |
18 |
17 |
12 |
13 |
28 |
15 |
164 |
平成24年度 命の大切さを学ぶ授業 活動報告
平成24年度「命の大切さを学ぶ授業」は県内23校8400名に受けていただきました。
年々実施件数は増え、何度も呼んでいただける学校もあります。犯罪の被害にあわれた方への理解を深め「自分の命も他人の命も大切にする心」がはぐくまれる事を願い、活動の輪を広げていくよう努力していきたいと思います。
今年度も、すでに活動はスタートしており、5月にセンターとしては初めて定時制高校で開催しました。
詳しくは事務局までお問い合わせ下さい。
24年度実施した学校
中学校 | 赤穂市 | 1校 |
尼崎市 | 1校 | |
神戸市 | 14校 | |
南あわじ市 | 1校 | |
姫路市 | 1校 | |
高等学校 | 公立校 | 2校 |
私立校 | 1校 | |
大学 | 私立校 | 2校 |
年度別実施校数・人数
年度 | 件数 | 総人数 |
21 | 5校 | 2250名 |
22 | 20校 | 4600名 |
23 | 21校 | 6600名 |
24 | 23校 | 8400名 |
計 | 69校 | 21850名 |
ご協力ありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。
(平成24年4月1日~平成25年3月31日)
団体賛助(敬称略)
●(株)アシックス ●尼崎信用金庫 ●岩見印刷(株) ●(有)AUTO BODY 西詰 ●加西警察署 ●カルモ鋳工(株) ●関西電力(株) 神戸支店 ●近畿システム管理(株) ●神戸北ロータリークラブ ●神戸電鉄(株) ●神戸トヨペット(株) ●(株)神戸凮月堂 ●三宮センター街 2丁目商店街振興組合 ●三宮センター街 3丁目商店街振興組合 ●(株)シマブンコーポレーション ●(株)大栄 ●高羽財産区管理組合 ●垂水自家用自動車協会 ●垂水駐車場協会 ●灘区歯科医師会 ●(一財)灘十三大字連合 協議会 ●灘薬剤師会 ●ニシカワ食品(株) ●日笠工業(株) ●姫路信用金庫 ●(株)兵栄 ●兵庫県警察信用組合 ●(社)兵庫県 指定自動車教習所協会 ●(社)兵庫県トラック協会 |
●兵庫県遊技業協同組合 ●兵庫トヨタ自動車(株) ●(財)復光会 垂水病院 ●(公財)暴力団追放 兵庫県民センター ●(株)マルアイ ●まや鋼業(株) ●UCCホールディングス(株) ●横山製薬(株) ●(有)リサーチ兵庫 ●(株)ロックフィールド ●(一財)兵庫県交通安全協会 ●網干交通安全協会 ●飾磨交通安全協会 ●須磨交通安全協会 ●垂水交通安全協会 ●豊岡交通安全協会 ●社交通安全協会 ●兵庫県 警友会 ●警友会 相生支部 ●警友会 明石支部 ●警友会 有馬支部 ●警友会 生田支部 ●警友会 加古川支部 ●警友会 加西支部 ●警友会 神戸水上支部 ●警友会 神戸西支部 ●警友会 宍粟支部 |
●警友会 須磨支部 ●警友会 洲本支部 ●警友会 高砂支部 ●警友会 宝塚支部 ●警友会 垂水支部 ●警友会 豊岡支部 ●警友会 長田支部 ●警友会 西脇支部 ●警友会 姫路支部 ●警友会 福崎支部 ●警友会 美方支部 ●警友会 三木支部 ●(公社)兵庫県 防犯協会連合会 ●尼崎北防犯協会 ●尼崎中央防犯協会 ●有馬防犯協会 ●伊丹防犯協会 ●加東防犯協会 ●川西防犯協会 ●須磨防犯協会 ●洲本防犯協会 ●豊岡防犯協会 ●長田防犯協会 ●西脇多可防犯協会 ●東灘防犯協会 ●南あわじ防犯協会 (あいうえお順に記載) |
寄付者(敬称略)
●青木 恭子 ●(一財)尼信地域振興財団 ●有井 美智子 ●淡路警察署 ●生田防犯協会 ●井関 勇司 ●岩井 圭司 ●うはら工場防犯協会 ●荻野 亨 ●角谷 團 ●近畿警察官友の会 養父地区友の会 ●久保田 睦子 ●桑野 てるひ ●警友会 養父支部 |
●KENSOWAKA コーポレーション ●(株)神戸製鋼所 ●小紫 由利 (ゆり神経クリニック) ●坂田 美和子 ●櫻井 繁樹 ●飾磨警察署 ●清水 將之 ●曽我部 とし子 ●高宮 静男 ●多木化学(株) ●中尾 直美 ●中原 拓也 ●日本ライニング工業(株) ●姫路交通安全協会 ●(財)兵庫県警察協会 |
●兵庫県警察本部 監察官室 ●兵庫県警察本部 警務課 ●(社)兵庫県信用組合協会 ●増田 章吾 ●松浦 一郎 ●南 裕子 ●南あわじ警察友の会 ●村上 典子 ●村上 正章 ●山岡 陽子 ●山崎 守 ●山田 剛 ●横山 博 ●吉村 寛 (あいうえお順に記載) |
【topics】10周年記念誌発行お祝い会
昨年、センターは設立から10年を迎え「ニュースレターVoL19」で紹介したとおり、 記念誌を発行いたしました。
設立に携わった皆様から「記念誌を見た。懐かしい、設立時は大変だった。」というお声が届き、当時のメンバーを中心に集まり、お祝い会をすることになりました。
当時、被害者支援室で勤務されていた神戸水上署の増田署長、県や神戸市の担当者、理事など22名が参加し、この10年で被害者支援が大きく変化したことなど、懐かしい昔話を交えて語り合いました。
【topics】ボランティア12期生4名誕生
昨年10月からスタートした養成講座は、今年1月で修了し4月から新しく4名のボランティアが誕生しました。
2名のボランティアの今の気持ちを皆様に紹介させて頂きたいと思います。
【12期生の声】
昨年10月から半年間講習を受けました。講習の内容は基礎的なことから専門的なことまで驚くほど充実したものでした。しかしその中で最も強く印象に残ったのは、被害を受けた方たちの語りでした。これから何年経っても、私の基礎はそこにあることを忘れずに続けて行きたいとおもいます。(K.Fさん)
毎回電話を待っている間は緊張感でいっぱいです。まだまだどのように対応するべきなのかわからないことも多いです。
先輩の皆様に丁寧に教えていただきながら、様々な支援方法を学び、身に付けていきたいと思っています。(A.0さん)
【topics】姫路市の出張相談が4年目を迎えました
平成21年4月からスタートした姫路の出張相談は今年度4年目に入りました。
犯罪等の被害者の相談を中心に、毎月第3木曜日午後1時30分から午後4時まで、姫路市役所市民相談センターで当センターの相談員が無料で相談を受けています。
一人で悩まないでご相談ください。
予告
平成25年8月 神戸にて開催!
企画・主催
認定NPO法人全国被害者支援ネットワーク・NPO法人ひょうご被害者支援センター
「親子でゆっくり向き合おう ~親と子どものためのワークショップ~もしも、子どもが犯罪被害にあったら…」
お問い合わせ:ひょうご被害者支援センター事務局
次回シンポジウムのお知らせ
平成25年11月17日(日)パレス神戸でシンポジウムを開催いたします。
会員募集
ひょうご被害者支援センターの活動を支える仲間を募集しています。ご協力をお願い致します。年会費 | 正会員 | 個人 | 5,000円 |
賛助会員 | 個人 | 一口 1,000円以上(何口でも可) | |
団体 | 一口 10,000円以上(何口でも可) | ||
郵便振替(おもかげご希望の方もこちらの口座番号へ) 口座番号:00900-3-185412 口座名義:特定非営利活動法人 ひょうご被害者支援センター |
私たちの活動は、 会費や寄付等で支えられています。支援はすべて無料で行いますが、支援員の養成・ 研修・広報啓発活動・事務局の運営などに経費を必要とします。被害者の方が安心して相談できるための活動を理解し、ご支援・ご協力をお願い致します。
発行日: | 2013年5月 | |
発行者: | 特定非営利活動法人 ひょうご被害者支援センター | |
事務局: | TEL 078-362-7512 | |
URL: | http://supporthyogo.org |
●編集後記●
センター設立から11年を迎えた平成25年度も1か月が経過しました。
事務局は、予算、体制、命の授業の計画、年間の研修計画作成に取り組んでいますが、なんといっても26年度の公益法人化に向けて慌しく過ごしています。
また、ベテラン相談員が、新しいボランティア4名を熱心に指導するなど、このところのセンターは活気にあふれています。
昨年度10周年を迎え、今年度は1からのスタートと思ってセンター一同、頑張りますので皆様の応援よろしくお願いします。